第6回【イエサポ住まい支援コラム】

居住支援

長尾 祐太

筆者 長尾 祐太

不動産キャリア19年

【イエサポ住まい支援コラム】第6回

保証人がいないと賃貸住宅は借りられない?

身寄りがなくても、住まいを諦める前にできること

前回の振り返り

第5回では、

「家賃を滞納したら、すぐ退去しないといけない?」

というテーマを取り上げました。

家賃滞納は、

単なるお金の問題ではない場合があります。

失業や病気、生活状況の変化など、

その背景に別の困りごとが隠れていることがあります。

だからこそ、

家賃滞納を責めるだけではなく、

「住まいを失うサイン」として早く気付くこと

が大切だとお伝えしました。

今回は、住まい相談の現場で非常によく聞く、

「保証人がいないと賃貸住宅は借りられないの?」

という疑問についてお話しします。


保証人がいないだけで、住まいを諦めないでください

「保証人がいない=絶対に借りられない」ではありません

最初にお伝えしたいのは、

保証人がいないという理由だけで、最初から住まいを諦める必要はない

ということです。

実際の住まい相談では、

「親族に頼れません」

「子どもとは疎遠です」

「緊急連絡先になってくれる人がいません」

「保証会社の審査も難しいと言われました」

といった相談があります。

講演資料でも、

保証人がいないことや保証会社が通らないことは、

住まいを失うリスクがある段階で相談できるケースとして紹介しました。

重要なのは、

「保証人がいないから無理」と終わらせるのではなく、

何が契約の障壁になっているのかを一つずつ整理することです。


実際にあった「保証人なし・保証会社も利用できない」ケース

住所不定だった80代男性

実際に私たちが支援した80代男性のケースがあります。

相談を受けた時点で、

  • 住所なし
  • 携帯電話なし
  • 所持金なし
  • 保証人なし
  • 保証会社も利用できない

という状況でした。

行政も支援したい。

本人も住まいを必要としている。

それでも、

賃貸契約に必要な条件が揃っていませんでした。

普通に物件を紹介するだけでは、

解決できないケースです。


問題は「保証人がいないこと」だけではありませんでした

本人・行政・不動産会社・大家さん、それぞれに困りごとがあります

このケースでは、

立場によって抱えている問題が違いました。

本人は、

「今夜寝る場所がない」

「食事も不安」

「今後どうなるのか分からない」

という状況でした。

行政側は、

支援したくても住所がありません。

不動産会社側には、

契約費用や保証会社の問題があります。

そして大家さんには、

「家賃は払えるのか」

「亡くなった後は誰が対応するのか」

という不安がありました。

ここで大切なのは、

誰か一人の問題として考えないことです。

保証人の有無だけを見ていても、

本当の課題は解決しません。


大家さんが知りたいのは「何かあったとき、誰に相談できるのか」

保証人より「支援体制」が重要になるケースもあります

住まい相談をしていると、

大家さんが不安に感じているのは、

単に保証人がいないことだけではありません。

むしろ、

入居後に問題が起きたとき、誰が関わってくれるのか

が見えないことへの不安があります。

これは外国籍の方を支援したケースでも同じでした。

30代の男性で、

保証人がおらず、日本語も話せない状況でした。

そこで、

大家さんとの交渉や保証会社との調整を行い、

入居後は就職支援にもつなげました。

このケースから感じたのは、

属性そのものよりも、

「支援体制が見えないこと」が大家さんの不安につながる

ということでした。


居住支援法人は何をするの?

「保証人になる会社」という意味ではありません

ここで誤解していただきたくないのが、

居住支援法人=必ず保証人になってくれる組織

という意味ではないことです。

私たち**ホームサポート(イエサポ)**が実際に行っている支援には、

  • 住まい探し
  • 大家さんとの交渉
  • 保証会社との交渉
  • 契約費用の分割交渉
  • 生活保護申請への同行
  • 家具・家電の準備
  • ライフライン手続き
  • 病院との連携
  • 相談支援専門員との連携
  • 携帯電話契約の支援
  • 見守りの調整
  • 緊急連絡先への対応

などがあります。

つまり、

物件を紹介して終わるのではなく、生活再建の入口を支えること

が居住支援の大切な役割です。


身寄りのない高齢者では「入居後」も考える必要があります

亡くなった後の対応も地域の課題です

特に高齢者 賃貸の相談では、

契約できれば終わりとは限りません。

大家さんからすると、

「もし室内で亡くなったらどうするのか」

「荷物は誰が片付けるのか」

「誰に連絡すればいいのか」

という心配があります。

講演でも、

身寄りのない高齢者について、

  • 身元保証
  • 死後の手続き
  • 残置物の処理
  • 見守り体制
  • 緊急時の対応

などは、まだ地域全体で考えていくべき課題だとお伝えしました。

そして、

身寄りのない高齢者を、不動産会社だけで支えることはできません。

福祉、医療、行政、地域が連携する必要があります。


「緊急連絡先がいない」段階でも相談してください

契約直前になってからでは選択肢が少なくなることがあります

よくあるのが、

気に入った物件が見つかった後に、

「保証人がいません」

「緊急連絡先を書けません」

という問題が分かるケースです。

もちろん、その段階からでも相談はできます。

ただ、

最初から事情が分かっていれば、

物件探しや大家さんへの説明も含めて、

より早く準備できることがあります。

これは、

生活保護 住まいの相談でも、

高齢者の住まい探しでも同じです。

保証人がいない。

保証会社に不安がある。

身寄りがない。

そんな段階から、

住まい相談をしていただいて構いません。


支援者の方にも知ってほしいこと

「保証人がいないから物件がない」で終わらせない

社会福祉協議会、

地域包括支援センター、

ケアマネジャー、

相談支援専門員、

病院のMSW、

行政職員の皆さまから、

住まいについて相談をいただくことがあります。

その際、

「保証人がいないので難しいですよね」

と最初から諦める必要はありません。

保証会社の調整ができる場合もあります。

大家さんへの説明によって、

理解していただける場合もあります。

福祉や行政など、

周囲の支援体制を伝えることで、

大家さんの不安が軽くなることもあります。

住宅セーフティネット制度居住支援法人は、

そうした「福祉と住まいの間」をつなぐための仕組みでもあります。


まとめ|必要なのは「保証してくれる人」だけではありません

保証人がいない。

身寄りがない。

保証会社の利用にも不安がある。

このような状況では、

確かに住まい探しが難しくなることがあります。

しかし、

そこで考えるべきなのは、

「誰が保証人になってくれるか」だけではありません。

何かあったとき誰に連絡するのか。

生活面を誰が支えるのか。

大家さんが困ったとき誰に相談できるのか。

入居後の見守りをどうするのか。

こうした支援体制を一つずつ整えていくことで、

住まいにつながるケースがあります。

私たち**ホームサポート(イエサポ)**も、

大阪府指定の居住支援法人として、

貝塚市・岸和田市をはじめとした泉州地域で、

こうした住まい相談に向き合っています。


「これって相談していいのかな?」

と思われたら、

住まいを失ってからではなく、

住まいを失う前にご相談ください。

早い段階であればあるほど、

一緒に考えられる選択肢は広がります。

もしこの記事を読んで、

「このケースも相談できるかな?」

と思われた方は、

お気軽にお問い合わせください。

保証人がいない場合でも、

まずは現在の状況を整理するところから、

一緒に考えていきます。


次回予告|第7回

「高齢者の一人暮らし、大家さんは何を不安に感じている?」

高齢者の住まい相談では、

「年齢を伝えたら断られた」

という声を聞くことがあります。

しかし、

大家さんが本当に心配しているのは、

年齢そのものではない場合があります。

孤独死、緊急時の対応、認知症、残置物。

そして、

「何かあったとき誰に相談すればいいのか」

という不安です。

次回は、

大家さん側の視点から高齢者の賃貸住宅問題を考え、

どうすれば貸す側・借りる側の双方が安心できるのか

を現場の経験をもとにお伝えします。

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